2024/10/09 16:42

皆さん、良い肝臓生活してますか?

日頃から知らず知らず酷使されていることの多い”肝臓”
この肝臓には栄養不足の時に備えて脂肪をためる機能が備わっていますが、摂取する栄養が過剰になると非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と呼ばれる状況に陥る場合があります。
男性では40~60代、女性は更年期以降に肥満度の増加とともに増えるのが特徴です。

 



NAFLDの80~90%は非アルコール性脂肪肝(NAFL)となり脂肪沈着のみで終わりますが、10~20%は肝臓の脂肪化に伴い炎症を起こし線維化が進行する非アルコール性脂肪肝炎(NASH)へと発展します。NASHに進行すると肝硬変や、場合によっては肝がんに進行する場合もあり、注意が必要です。また、このNASHは糖尿病や高血圧や脂質異常症をかなりの割合で合併するとされています。

そんなNASHですが、近年研究が進みビタミンEとの関与が明らかになってきました。

2020年11月の『NAFLD/NASH診療ガイドライン 追補内容のお知らせ』によると、2020年に、最長10年におよぶ長期観察研究においてビタミンEの投与によって肝移植に至らずにすむNASH症例が増加し、肝不全死や非代償性肝硬変に進展する症例を減少させることが明らかにされました。

これら多くの研究により、

ビタミンEはNASHの血液生化学検査および肝組織像を改善させるため投与することを推奨する.なおビタミンEはNAFLD/NASHに対する保険適用はない.【推奨の強さ:強 (合意率100%),エビデンスレベル:A 】 

と、ビタミンEの効果が最高のエビデンスレベルで述べられています。
これからの肝機能改善にビタミンEが利用される可能性は高そうですね!

※ビタミンEの過剰摂取は健康被害につながる恐れがありますので、厚生労働省から1日当たりの耐容上限量が細かく年齢別・男女別に定められています(1~2歳の150mgから始まり、75歳以上男性750mg女性650mgまで)。サプリメントは安全に利用しましょう。